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Menu アイーダ[副題:ビクトリア時代の栄光](実際のお料理)@ A ta guele

    2019年06月……歌劇の【アイーダ】を骨組みにして、色々と構想を練ったメニューを、木場のA ta guele の曾村シェフにお願いして創って頂く事になりました。

トウモロコシのパリソワール仕立て:Soupe de mais en Paris-soir et blinis de mais avec caviar de maison



    最初の一品は、「トウモロコシのパリソワール仕立て、トウモロコシのブリニと自家製キャビアを添えて」。
    6月の夏至を過ぎて夏の暑さが本格化する頃、トウモロコシのどこまでも甘い味と、コンソメの独特のコクのある広がりがある冷製スープを飲むと、これから訪れる夏の日差しや空、雲の様子までもが入道雲の様に広がっていきます。
    そんな広がりを持った不思議なスープだったりするトウモロコシのスープ。
    曾村氏のアタゴールでは、静岡で採れる希少な”味来トウモロコシ”を使ってのスープをスペシャリテで出していますが、今回は、【アイーダ】に仮借した大英帝国の世界帝国的な動きを追うと言う主題をも含んでしたので、このスープの素材となるトウモロコシは”ゴールドラッシュ”と言う種類。
    あくまで”金色”のトウモロコシは、エジプトの砂漠とも、その後の大英帝国の黄金期とも、色々な意味を彷彿させるまさにスタートに相応しい素材。
    鎌倉のしっかりとした土壌で作られた”ゴールドラッシュ”は、幾分、味来トウモロコシよりは糖度は控えめではあるものの、それが濃い目に作られたコンソメのジュレと、これまた”金色”に華を添える”バフンウニ”と”紫ウニ”との中で【バランスを取った位置】を巧く確保しています。
    そして、付け合わせの「ブリニ」と「キャビア」
    蕎麦粉の代わりにトウモロコシの粉で作ったブリニは甘く、塩っ気のあるキャビアと、横から入ってくるサワークリームとが合わさって、また違う多層世界を作っています。
    丸いクープの中の世界と、ブリニの丸い……そして、幾多に重なる【輪】は、世界の中での多重構造と共に、味覚の世界の多重構造をも表しているかのようです。
    キラキラと輝くガラスの光を映して、世界には幾つもの重なりがある事を示している様なトウモロコシのスープ……
    まさに、歌劇アイーダの始まりを示すかの様な静かで豪華なスタートでした。



牡蠣のソースアルベール:Huitre sauce Albert




    続いての料理を待っていると、支配人の市川氏がやって来て、「ちょっと次のお料理まで時間を頂きますがよろしいしいですか?」と聞かれたので、「お気になさらず」とお答えして、先の黄金色のスープの事を想って反芻していたり、次のメニューの事を考えていたりしました。
    時折、宴会をしているテーブルから聴こえてくる威勢の良い語り口調や、行き交うお客さん達の動きも、【アイーダ】を上演している劇場に居るかの様なちょっとした人の喧騒さを感じて、これがまた次の料理を待つワクワク感を高めてくれます。

    暫しして、市川さんが「岩牡蠣のソースアルベールです。幕間繋ぎに。」とサプライズな一品を持って来てくださいました。
    【ソースアルベール(Sauce Albert)】と言えば、かの【マキシム】のスペシャリテを思い浮かべますが、実はソースアルベールには、もう一つ意味があって、ヴィクトリア女王のご主人(これを王配と言う)であるアルバート公の事を指す場合もあるのです。
    今回お願いしたメニューの一つに、ヴィクトリア女王由来の料理(Barquette Victoria)もあったので、それに掛けて、もう一品、曾村氏が作って下さったのでした。

    以前、「アンリ四世」のメニューについて書いた際に、「伊丹十三」「種村季弘教授」の言葉に触れましたが、フランス料理の一つ要素として「演劇的な要素」と言う事もあるのではないかと言う事を種村氏が述べていて、ワタクシメも大いに得心しているところなのですが、”ヴィクトリア女王”の名前の料理に”(旦那さんの)アルバート公”のソースを使った料理を添えると言うのは、観客でもある食べ手にとってのまさに嬉しいサプライズであると同時に、主演である作り手の奥深い知識に裏打ちされた技量に感嘆する部分でもあります。
    そして、この一品が加わる事で、「作り手」と「食べ手」における”一座建立”の顕現に更なる深みが増したとも言えると思うのです。

    若狭湾の大きい岩ガキに、ソースアルベール、そして緑色のワカメのソース。
    身の蕩ける様な食感に、アルベールソースのクリームと卵黄の滑らかさが上書きされる程に、ワカメのソースの微かに粘度のある草を感じさせる味がアクセントを加えていきます。
    牡蠣のエキスと合わさった、黄色いアルベールと緑のワカメを最後にキュッと吸い上げる瞬間がまたたまらないものがあります。
    ”R”が付く月では無いけれども十二分に美味しいと言う事自体もサプライズな岩ガキの一品は、かつてクレオパトラが飲み干したとされる高貴な真珠の様な優雅な趣きをたたえているのでした。

バルケット ヴィクトリア:Barquette Victoira





    そして、次は先ほどの「アルベール」と対をなす「バルケットビクトリア(Barquette Vivtoria)」が運ばれてきました。
    これは、【オマール海老、トリュフ、シャンピニオンをソースヴィクトリアで和えたものを舟形のパイに詰めて、トリュフとオマール海老の味噌を飾る料理】で主に前菜に供されるものです。
    「Barquette」とは【舟形のパイ】を、「Victoria」は文字通りヴィクトリア女王の事を指し、大英帝国を代表する君主であるために、その名前を冠した料理は幾つもあってどれも主菜となり得る料理なのですが、今回のメニューでは[副題でヴィクトリア時代]と言う要素を含ましめていますが、単純にヴィクトリア時代の栄光と言う事だけでは無く、その背景にあった様々な事象を盛り込みたいと言う事もあったので、敢えて”前菜”としての位置づけでの「Barquette」としたのでした。
    海軍国である大英帝国を象徴するかの様な”舟形のパイ”にヴィクトリア女王の名前を附した料理は、まさに1800年台中盤から1900年台にかけて【Pax Britanica】を象徴する一品でもあるのです。



こっ……これは……ブルトン???
ハサミが!!生きてる!!!



    先ほど、市川さんが「お時間を……」と言ったのは、この生きているオマール、しかも”ブルトン(breton)”と呼ばれるフランス料理好きにとっては垂涎のブルターニュ産のオマール海老を捌くところからこの「Barquette Vivtoria」を作るために時間が必要だったからなのでした。

    実は、この6月はワタクシ【ルイ】お誕生月
    そして、自分自身でメニューを創り、それを凄腕のシェフに作って貰うと言う何とも幸せな誕生会でもあったのですが、ここでブルトンとは、更に大きなプレゼントをアタゴールの皆さんから頂いたのでした。
    あらためて、この場をお借りしてお礼を申し上げます。





    オマール海老のハサミがすっぽりと入ったパイ(Barquette)は、船と言うよりは宝石箱の様な気品の様でもあり、赤くなったハサミの部分は大きなルビーの様にも見えます。 そして、右側にはオマールの半身がドーンと置かれていて、これまた素晴らしい緑色のオマールのミソ(コライユ)がしっかりと詰まっています。
    これだけ見事なオマールであれば、パイケースを作ってコライユを飾るよりは、身の美味しさも味わえる方が素敵でしょう。

    オマールのハサミの埋め込まれたパイを口に入れると、何とも甘いオマールの味と、オマールをベースにしたソースヴィクトリアの味が口いっぱいに広がります。また、このバルケットのパイの見事な事、軽くて薄いけれどもしっかりとオマールとソースの美味しさを挟みつつ、あっさりとした小麦粉特有の柔らかい味が上品な絹の様に舌を覆うのです。そして、これらの上品なテイストにもう一段磨きをかけるのがトリュフ。テーブルに運ばれて来た後で、目の前で削られかけられるトリュフ……時期的には夏トリュフですが、冬トリュフ程の濃厚な香りで無い位……丁度、薫香を纏わせるくらいの爽やかなトリュフの香りの方が、「水」を意識したこの料理にはあっていると思うのです。

    こんなに素晴らしいパイは食べたことがありません。
    爽やかな夏トリュフを感じながら、”軽いけれどもしっかりとして、しかし油っぽくも焦げても無く、中味のオマールの味を高貴に導く”と言う本当に女王様のようなパイでした。

    オマールのパイに舌鼓を打った後は、綺麗な白と緑の断面を見せているオマール海老の半身の方にとりかかります。
    ”ミキュイ(mi-cuit)”とまではいかないものの、完全にガチガチに茹で上げるのではなく、少々身が透き通る部分があるかないかと言う絶妙な火加減で調理されたオマールが美味しくない訳がありません。
    (しかも”ブルトン”!!)
    いや、もう身が優しくふんわり甘いのなんの。
    それこそ、「蟹を食べるときは無口になる」と言う表現がありますが、ブルトンオマールのこれ以上は無いと言う素晴らしい火入れの状態を口にしては、もはや黙々とオマールフォーク(ロブスターフォーク)を動かして身を口に入れる作業に従事するのでした。
    そして、”ミソ(コライユ)”。蟹と違って海老系のミソは緑系の色ですが、ものによってはエゴイ味がする時がありますが、今回はその様な事とは全く無縁で、緑色からは想像も出来ないくらいトロットしているけれどしつこくも無い、どちらかといえばあっさりとした上品な味を堪能したのでした。

    オマールの殻の中の身も殆ど口と胃袋に入った頃、足の方に付いている南天の様な球形のものに気が付きました……
    何と、このオマールには「卵」が付いていたのです。
    今まで、何度もオマールを食べていますが、「卵」は初めてです。
    先ずは「赤い方」の卵を……何と、意外な事に「甘い」のです。これはちょっと今まで食べた「魚卵」類のものとは違った味でした。
    次に「黒い方」の卵を……こちらは、赤いのとは違って甘いというよりは、もう少しコクのある風で、奥深い感じの味でした。
    なかなかに貴重な「オマールの卵」を味わって、これまた夢中で足にフォークを当てて掻きとります。

    「パイ」「ソース」「トリュフ」「オマールのハサミ」「オマールの身」「コライユ」「卵」と、大英帝国が支配した”七つの海”ならぬ”七つの星”の、まさに主菜とも言えるような品々を味わって、すっかり「ヴィクトリア女王うんぬん」などと言うは話は頭から何処かに行ってしまっていました。
    【美食が外交(交渉)で重要な意味を持つ】と言うのは、かのタレイランが示した重要な財産でもあると思いますが、美味しいモノを食べると、身も心も違った方向にいざなわれて行くのでしょう。
    そう言う意味では、外交に携わる方々や、社用の接待に従事されている方々は、そんな”いざない”に惑わされない心身が屈強な方々なのかしらん?などと思いつつ、「ワタクシメにはとてもそんな大役は難しいから、そんなお役が回って来てもご免こうりたいわ」等とたちまち軟弱な精神を発揮しつつ、そんな御大層な役回りが来ないで【ただひたすらに美食に耽溺する事が出来る自分の立場】を無邪気に幸せだなと、最後に残っていた「赤い卵」を味わいつつ、思っていたのでありました。


    (左)ヴィクトリア女王の家族達。左がヴィクトリア女王、右がアルバート公。
    (右)戴冠式のヴィクトリア女王。

    そして、改めて思うのは、流石に大英帝国の最盛期の女王の名前を冠した料理であると言う事。
    【オマールのパイ】一つをとっても、この様に贅沢な仕様となるのは、まさにその威光の反映であったとも思えるのです。

アイーダ:Aida turobot



    素晴らしい、【ヴィクトリア女王の船】を味わった後は、お待ちかねの【アイーダ】。今回のメニューの主役とも言える存在が登場です。
    「アイーダチュルボ(Aida Turbot)」
    チュルボとは、平目に似た魚で、ヨーロッパ特有の素材でもあって、日本では「チュルボ」とある場合には、”舌平目”で料理をする場合が一般的です。
    そのため、今回も”舌平目”が素材となっていますが、何と、はるか”ドーバー海峡”からの舌平目だったのです。
    いやぁ本当に何という素晴らしいお誕生会なんでしょうか!!
    先ほどのオマールの美味とトリュフの芳香に包まれて、少々酔いが加速している様な塩梅で、否が応でもテンションはクライマックスへと向かいます。
    ほどなく、頭の中でファンファーレが鳴り、【凱旋行進曲】が聴こえてきたようでした。

    市川さんがクロッシュを取って「アイーダチュルボです。ドーバー海峡産の舌平目を2種のズッキーニで巻いて、パプリカを加えたソースモルネをかけて焼いたものを黒キャベツの上に載せました。」と高らかに宣言します。
    「本来は、ホウレン草ですが、今回はイタリアのカーボロネロを使いました。」と厳かに説明をして厨房に引き揚げて行きました。

    エジプト王ラダメスと、エチオピア王女アイーダの悲恋を題材にした歌劇アイーダ。
    それは、ただ、名作だというだけに止まらない、1870年台当時の世界情勢を凝縮したとも言える一つの象徴でもある作品だと思うのです。
    アイーダが初めて上演されたのは1872年。この3年前の1869年にスエズ運河がフランス人であるフェルディナント=レセップスによって開通しました。
    レセップスを【エジプトのモーゼ】に見立てての風刺画が描かれるほどに、難工事であり、しかしそのもたらす価値の計り知れなさは世界の注目の的になったのでした。
    従来の喜望峰を迂回して行く事に比べて、エジプトの紅海を進むことは、安全性の面でも、時間的な面でも、”革命的”と言えるほどの偉業でもあったのです。
    この難事業を実施するために設立された「スエズ運河会社」は、エジプトのパシャ(事実上の国王)、イギリス政府、フランス政府を株主として構成される会社であり、スエズ運河開通後の莫大な利益はエジプトにも恵みをもたらす筈でした。
    当時、エジプトはオスマントルコ帝国内で、その卓越した外交手腕により事実上の独立国としての立場を築いていましたが、近代化への支出や、イスマーイル=パシャの奢侈など(そもそも【アイーダ】を破格の報酬でヴェルディに作らせた事自体も、過度な支出とも言える)で、エジプト財政は破たんしかけており、その返済に迫られる状態でもありました。
    そのため、イスマーイル=パシャは、このスエズ運河会社の株式を開通5年後の間もない時期に(どういう理由かはともかくも)殆ど捨て値でもある400万ポンドで売りに出す事にしたのです。
    歴史にIFを言うのは詮無き事でもありますが、この時、エジプトが債務返済の方法を他の事でしていたら?とか、株式を譲渡する際に何か巧い条件を付していたら?などと思う訳ですが、世界のパワーバランスを一転させる様な”出物”が登場したのでした。
    この時、機先を制したイギリスのディズレーリにより、スエズ運河の支配権はイギリス政府のものとなり、その後の大英帝国の繁栄に寄与していく事になるのです。

    【アイーダ】の中のラダメスとアイーダは、その報われぬ現世での恋を捨て、来世で結ばれる事を託して静かに死を迎えます。
    偉大なる歌劇の盛り上がりも終焉も、それに涙出来るのは、それが飽くまで架空の物語であると言う部分にあります。
    片や、本来ならばエジプトにナイル川以来の恵みをもたらしたかも知れない財産を手放して、エジプトの民衆は塗炭の苦しみを味わい、最終的にこのスエズ運河が自分達の手に還ってくるのは、実に80年後のナセルの登場を待つしかなかったのでした。
    とは言え、この【アイーダ】が、かくも名作とされるのは、ラダメスとアイーダの現世での上手くいきそうだった恋物語が一転して、来世(次の世代)での成功を意図したと言う部分が、スエズ運河の開通により光がもたらされそうだったムハンマド=アリー朝のエジプトでは無く、王制が倒れたその後のナセルの時代にイギリスやフランスとも伍してエジプトの輝かしい光が甦ったと言う部分と重なる気がするからです。

    今回、この様なメニューを構築したのは、フランス料理は単にお洒落であったり、美味であったりと言う他に、その組み立て方如何によっては、一つの歴史をも顕し得ると言う事をしてみたかったと言う事にもよります。
    そして、長い伝統の末に磨き上げられて来たフランス料理は、一つ一つに由来・来歴を有する、それ自体が”歴史”である、と言う事を今回、この様な形でメニューにしてみて、改めてその奥深さと存在の意義を確認もしたのでした。


フランス料理をして、まさに【世界之歴史】を語らしむ。
【メニュー】は、ひとつの”演劇的空間”と言う舞台でもある。。




    さて、些か、歴史的な事が冗長に過ぎて、”肝心の”美味しさの方ですが、
    舌平目にしっかりと巻かれた2種類のズッキーニが、舌平目の柔らかくも繊細な美味しさを閉じ込めてくれています。
    程良い水分を保湿したままで味わう舌平目と、パプリカのクセのある味と、濃厚なソースモルネを一緒に食べると、これが”フランス料理”だと言う事をしっかりと感じさせてくれます。
    そして、下に敷いてあるグラノパダーノチーズと小麦粉を練った下地。
    相当に濃く、ぎっちりと練り上げている上に、パン粉でグラチネしているのですが、グラノパダーノの控えめな塩っ気が何とも素朴なのと、チーズの匂いと香ばしさとが更に食欲を誘います。
    また、この料理のルセット(レシピ)としては、「ほうれん草を下に敷いた上に」とありますが、今回は、イタリアの歌劇と言う事もあって、イタリアの野菜である「黒キャベツ(カーボロネロ)」を使っている点も、捻りが効いて面白いところです。
    ”舌平目”は、フランス料理では良く使われる素材の一つですが、その理由としては、高貴な(希少な)と言う意味もあるでしょうが、ソースや料理の仕方によって如何様にも変化すると言う部分に、作る方も、食べる方も魅せられているからではないでしょうか。

    「ドーバーの赤い舌平目」から切り出された純白の身を、彩るパプリカのオレンジ色のソースと、白い下地は、照り返す砂漠の様な印象を与えつつ、それらはあたかもパピルスに綴られた象形文字の如く何かを訴えかけていて、この料理の上にあるディルの花が使われ始めた5000年前の昔のエジプトから、何ものをも遠ざけて、そこに佇んでいると言われても不思議ですらない、時空を超えた空間でさえあったのでした。

お口直しのグラニテ:granite aux melon



    お口直しには「フレッシュミントのグラニテ(シャーベット)」。
    先ほどまでの、怒涛の料理で高まる興奮を落ち着かせてくれるかの様なミントのさっぱりとした味が素敵です。
    今回のメニューは、比較的黄色い色調の料理でもあるので、ここでの緑色のアクセントは、まさに砂漠のオアシス。
    フランス料理でのグラニテは、時によっては不要な場合もありますが、料理自体のボディがしっかりしたもので構成されている場合には、逆にこれが無いと、メニューの輪郭がぼやけてしまうので、本当に目立たないけれども重要なポジションを担っています。
    それでは、砂漠のオアシスで一息ついたので、また、次の料理へと向かう事としましょう。



    次の料理、形式から言えば”メイン”と言う事になりますが、先の【Aida turbot】と連動しているとも言えるので、実質的には先ほどの【Aida】がメインNo.1、そしてこの【Curry】がメインNo.2と言う位置づけになるでしょうか。
    「メニューの構想」の所でも触れましたが、元々は、2016年の5月に食べたメニュー(蛙の宮殿Ⅰ グルヌイユのピラミッド)の中からのリクエストでもあります。
    3年前に頂いたこの「カレー」がとても素晴らしく、再度食べたいとは思っていたのですが、ただ「カレー」を頼むと言うのも芸が無いので、どうしたら巧くメニュー構成の枠に嵌るだろうかと考えていた一つでもあった訳です。
    そう言う訳で、色々と試行錯誤した結果の今回のメニューでもありましたが、【美味】と言う事に加えて【多層的に意味を持つ】と言う大役も果たせそうだったので、丁度、自分の誕生会と言う、ある意味【金字塔】的な意味合いも含めて、満を持しての登場と相成った訳です。


【金字塔(きんじとう)】=ピラミッドの事を表わす古い表現 ピラミッドの事を表す他に「偉大な業績」と言う意味もある


    【ベンジャミン=ディズレーリ】。

    この上の画像にある人物すべてがその人です。
    イギリス保守党の内閣首班として、2度にわたり組閣し、大英帝国の世界政策に寄与した人物。
    国内政界においては自由党のグラッドストーンと二大政党制の黄金時代を築いた人物。
    ヨーロッパ大陸のビスマルクとは常に牽制しあった人物。

    年上の未亡人と財産目当てで結婚し、「もし、生まれ変わって結婚するなら、彼女と愛のために結婚するだろう」と嘯いた人物。

    ………….etc

    「左」の図は、スエズ運河買収によりイギリスの世界戦略の重要なカギを手にした事を風刺した一コマ(【エジプトのモーゼ】)。
    「右」の図は、ヴィクトリア女王に【インド皇帝】に即位する事を進めるディスレーリ。

    ディズレーリにより成功したスエズ運河買収により、イギリスのアフリカにおける【縦断政策】が開始されていきます。エジプトを起点に南アフリカまでの地域を大英帝国の支配下に置いていくとの政策です。
    この政策の目的は、アフリカ支配と言う要素も含みますが、その真の目的は「インド防衛」と言う部分。
    当時、イギリスを大英帝国として世界の覇者に押し上げていたのは、「インドからもたらされる莫大な富」にありました。
    それゆえ、インドはイギリスの王冠を飾る宝石とも称され、イギリスの対外政策はこの「宝石」である「インド」を如何に外部から防衛するのかに注がれるのです。
    そのために、この【縦断政策】を基に、【カイロ(Cailo)】【ケープタウン(Capetown)】【カルカッタ(Calcutta)】の3都市を拠点にした【3C政策】へと昇華していきます。
    3つの都市の頭文字を取った【3C政策】こそ、イギリスを【太陽の沈まぬ国 大英帝国】に導いた立役者でもあったのでした。



    今回の「カレー」は、エジプトを意識した【ピラミッドカレー(en pyramide)】。
    このプラミッド様式のカレーは、「美味しい」「美しい」に加えて、今回の【アイーダ】が象徴する様々な含意を、よりインパクトのある形で表わすのにこれをおいて他には無いと思えるものでした。
    「ピラミッド」は「カイロ(Cailo)」、「カレー」には「カルカッタ(Calcutta)」と【3C】のうちの2つの要素を含んでいます。
    後、もう一つの「ケープタウン(Capetown)」をどの様にして含めるか……
    「ケープタウン」や「南アフリカ」を表す様な素材や技法を考えた際に、最近は南アフリカ産のワインなども良く見かけるので、それを使って貰おうか?とか、これまた健康に良いとして注目を浴びているルイボスティーにしてみようか?などとも考えましたが、 ワインだとアルコールを飲めない自分は酔ってしまうし、ルイボスティーだとどうやって使うか……
    色々と思案する中、(構想の段階でも触れましたが)、南アフリカと言えば、【セシル=ローズ】なる人物が思い浮かびます。1870年台の帝国主義の時代にはおいて欠かせない彼の存在は、南アフリカでのゴールドラッシュやダイヤモンドの採掘と言う部分に加えて、「遊星をも併呑したい」と言う名言で示されるように、経済活動には市場が必要と言う現実主義者でもありました。 このセシル=ローズの名前に由来する「ローデシア」と言う名前の付いた料理もありますが、しかし、今のご時世でローデシアでもないだろうとも思うので、やはりセシル=ローズを使う訳にはいかないなと言う事で、また降り出しに。
    と南アフリカに関する事に頭を巡らしましたが、それと言った気の利いた案は浮かばず、南アフリカの成り立ちの由来や、特産品などを眺めつつ、「オレンジ」を使えばうまくまとまりそうと言う感じはしました。
    南アフリカは、海流や季節風の影響もあり、何故か地中海性気候でもあり、南ヨーロッパと同じように「オレンジ」が育つのです。
    また、南アフリカを形成する際には、幾つかの国が含まれていきますが、その中の一つに「オレンジ自由国」と言うものがあります。これは、果物のオレンジに由来したものではなく、オランダの王家である【オラニエ家】に由来するオランダ系の人達が作った国でもありました。
    そう言う事から「オレンジ」を使えば「南アフリカ」「ケープタウン」を表す事は出来るなと漸く考えがまとまったのでした。

    とはいえ……「オレンジ」を直接カレーに使えるか……と言う問題もありました。
    言ってはみたものの、”カレー”にオレンジを何処で?とも思うので、特に「オレンジ」を使う場所をカレーに限定せず、デセールも含めて何処かで使って下さいと言う事にしてお任せしたのでした。


フランス料理と世界之歴史は分かち難く結びついていると思ふ
ゆえに、世界之歴史を仏蘭西料理で表わすのは一つの必然也。




    さて、色々な事を書き連ねて来た「カレー」ですが、
    今回の【ルイお誕生日会仕様のカレー】は、「ジュネーブ産のグルヌイユを使ったサリーワイル風のカレー」であります。
    3年前の前回と比べると「蛙」の本数が増えています。これはきっとワタクシのお誕生会仕様だからでしょう。
    丸いくぼみに深淵たる趣きで佇むカレー……
    グルヌイユのフリットの合間には、レンズ豆が顔をのぞかせています。「レンズ豆」は普通の豆よりも小さいですが、その分コクもあって個人的には好きな豆類の一つですが、エジプトでは紀元前2000年も前から使われていた食材の一つでもあります。

    揚げたてのグルヌイユのフリットを食べ、サリーワイル風のコクのある深いソースを黄金のピラミッドにかけて、それを口に入れた瞬間……

    「おっ甘い♪」

    3年前のカレーは、もう少し濃い苦みの様なものが前面に来る”漆黒”のカレーでもありましたが、今回は、苦さは若干抑えられつつ甘さが奥から広がってきます。

    「マンゴーのチャッツネを使っています。オレンジとはいきませんでしたが。」とは支配人の市川氏。

    今回、「サリーワイル風」を変えずにそのままにお願いしたのは、特に意味は無く、単純に3年前のカレーが食べたかったと言う事が一番の理由でした。
    (”様々な含意”と言う事で、考えた今回のメニューの流れからすれば、”サリーワイル風”ではなく、エドワード7世風と言ったイギリスの名前にするのも有りだったのでしょうが、 今回は「3年前のカレーを食べたい」と言うのが動機でもあった事や、[副題]としてヴィクトリア時代の栄光としている部分もあってエドワード7世はヴィクトリア時代の後の国王でもあるので、ここはそのまま”サリーワイル”と言う事にしておいたのでした。 それほどまでに、このサリーワイル風のカレーは”美味しい”のです。)

    日本に古式ゆかしいフランス料理を伝えたサリーワイルは、今でこそ名前が語られる事は少なくなりましたが、日本のフランス料理を磨いた第一人者の一人でもあるのです。 そして「ジュネーブ産のグルヌイユ(蛙)」は、サリーワイルがジュネーブ出身と言う事から、わざわざ取り寄せてくださった素材なのでした。

    3年の時を経てよみがえる(蛙)カレー……それはピラミッドのもたらす不思議な効果なのでしょうか?。
    「マンゴーの甘さ」と言う新しい軸が増えたおかげで、更にいや増す、香辛料の苦さ、爽やかさがよりはっきりとして頭が冴えわたって来ました。
    3年前のピラミッドカレーが「太陽と月」(or「夜」と「昼」)と言う二元論的な世界観であったとしたら、今回の【アイーダ】ピラミッドはマンゴーと言う新しいアスペクトによりもたらされた【多重世界の顕れ】でもあるのでしょう。
    【アイーダ】の世界は、「神殿(地上)」と「地下」と言う二元論に加えて、「来世」と言う新しい軸足を加えての多重世界への膨らみをもたせています。
    【アイーダ】を創らせたイスマーイル=パシャの夢、実際に作ったヴェルディの想い、ディズレーリの思惑、セシル=ローズの野望、ヴィクトリア女王と大英帝国の栄光、そして大国に翻弄されるアフリカやアジア…….etc
    そういった様々なものが重なり合った【世界】と言うものの顕れがこのサフランで出来たピラミッドに集まって来たと言うのは、少し大袈裟な表現でもありますが、一つの大いなる実感なのでありました。

    カレーを入れた円形の白いお皿と、ピラミッドが乗せられた円形の白いお皿の存在もまた、最初に供された「トウモロコシのスープ」のクープとブリニの様に、【多重世界】への橋渡しをする【入り口】の一つだったかも……と思うと、かつて映画でやっていた【スターゲート】なるものの着想に至るのが何となく分かるのに、これまたピラミッドの不思議な力かしらん?などと思う幸せな誕生会の一幕でありました。

スフレ ロチルド:Souffle Rothscjild



    怒涛のメニューの締めくくりは「スフレロチルド(souffle Rothschild)」

    モノの本の中には「カスタードクリームに、卵黄、ダンチッヒリキュールに漬けたフルーツの砂糖漬け、その漬けた汁に泡立てた卵白を加えてオーブンで焼き、表面に砂糖を振ったもの」と記載されています。

    「ダンチッヒリキュール」とは何ぞや?と言う事が分からなかったのですが、どうやらポーランドの金箔入りのお酒でした。

    元々は【錬金術】の流れで、【金は不老不死の象徴】と言う意味から「万病に効く」と言う意味で作られたお酒でもあったようで, (ドイツ語で「ゴールドワッサ―(Goldwasser)、ポーランド語で「ダダニスカウオッカ(Gdanska wodka)」 、それこそ、ピョートル大帝やエカチェリーナ2世、ルイ14世と言った”方々”が飲んでいたようで、 何ともおめでたいお酒ではありますが、当然、この手のお酒の度数は高く、とてもとてもワタクシメには無理なお酒なので、そのままの方法では食べられない事もあり、一計を案じる必要がありました。

    そもそも、何故に「ロチルド」いや【Rothchild:ロスチャイルド家】の名前を冠した料理にダンチッヒリキュールが使われているのか?は、直接的には不明ですが、(多分、ロスチャイルド家の源流を辿るとポーランドの人とかと縁戚があったりするのでしょう)、こと”フランス料理の分野”では【Rothschild】と付くものには、「金」を使うものが多いのです。
    おそらく、ロスチャイルド家が莫大な富を持つと言う事と、ロンドンのロスチャイルド家が永く【金の値付け】に影響力を持っていたと言う事が反映されたものなのでしょう。
    そんな訳で、古のフランス料理を創った方達(カレームかエスコフィエ)は非常に分かり易い【金】と言うものを用いたのかと考えた訳です。

    【ロスチャイルド家の象徴たる[金]】と言う事が”料理の要素”であるならば、ここは思い切って【金箔を使った[スフレ]】にすれば、この”料理の要素”との整合性がとれるのかな?と考えた次第。
    そこで、今回のデセールは、「スフレロチルド」はスフレロチルドであるけれど、ダンチッヒリキュールを使ったスフレロチルドでは無く、【金箔を使ったスフレロチルド】をお願いする事にしたのでした。

    (左)1880年台のスエズ運河
    (右)ロンドンロスチャイルド家当主 ライオネル=ロスチャイルド  父ネイサンの後を継ぎロスチャイルド家を飛躍させた。

    【ロスチャイルド家】

    それは、ある種の魔法の言葉の様に世界や人々を魅了する言葉の一つでもあります。
    そこに、ロマンを求めるかどうかは、それぞれの拠って立つ立場によるのでしょうが、今回は【アイーダ】、そして【スエズ運河買収の影の立役者】としての【ロスチャイルド家】。
    ”スエズ運河買収”は、先ほどのディズレーリの英断によって成し遂げられましたが、実はこの話にはもっと続きがあって、この買収の費用を出したのは誰か?と言う部分です。
    当のディズレーリは、スエズ運河買収の件について、この様にヴィクトリア女王の報告をしています。

    「英貨400万ポンド。それを彼らは瞬く間に用意したのです。そんな事をやってのける会社はロスチャイルド家以外にはありません。彼らは見事にやってのけたのです。」

    スエズ運河会社の株式の買収には、スエズ運河を造ったレセップス後ろ盾でもあるフランスも興味を示していました。
    ナポレオン三世失脚後の第三共和政の元ではありましたが、フランスもおおいなる栄光のためにスエズ運河に興味が無い筈は無かったのです。

    「情報」と「資金」のある者が勝つ

    何時の時代にも変わらぬ原則の一つでもありますが、この時のスエズ運河買収は、その事を端的に表した事例でもあります。
    無論、フランス側が買収に当たるとしても、フランスロスチャイルド家が資金の供給役だった可能性もあるでしょうから、どちらにせよロスチャイルド家の 力のなせる業と言う事にはなったのだろうとの結果も十分にあったとは思うので、「国家」と言うものが実は相対的なものになってしまうと言う事も見えて来る部分に、実は本質があるのかもしれませんが……
    いずれにせよ、このスエズ運河買収はイギリスロスチャイルド家の当主であるライオネル=ロスチャイルドと毎週夕飯を共にしていたディズレーリの見事な一本勝ちだったのでした。

    この際のディズレーリとライオネルのやり取りには、もう一つ興味深い話も残っています。
    ライオネルの屋敷を急いで訪ねたディズレーリですが、時間帯が遅かったせいか、丁度ライオネルの夕飯時、それもデザートの時だったそうです。興奮したディズレーリが話をするのを無言で聴いていたライオネルは、食べていたブドウを口から出して、「で、おいくら必要なので?」と極めて冷静に返答をしたとされています。





    そして、今回特注したスフレには、もう一つ”おまけ”がついていました。
    このスフレが乗っているプレートに、チョコレートパウダーで【ロスチャイルド家の紋章】がかたどられていたのです。

    かの有名な【赤い盾】の紋章です。

    何というサプライズなプレゼントだったのでしょう。
    【金箔】のスフレはそれだけでも素晴らしい一品ですが、この”紋章”のアレンジが入る事で、他の追随を許さない一品になったのです。
    スフレのプレートに浮かび上がる茶色と白の紋章は、国際政治・国際経済の中で、影絵の様に存在は確かだけれどもその実体をつかむ事は(ワタクシの様な者などには)とても出来ない【ロスチャイルド家】の有り様をシンボリックに表しているかのようです。

    市川氏「ご要望のスフレロトシルトでございます。グランマルニエで漬けたクコとグリーングレープで作りました。」

    さながら、ロスチャイルド家の執事の様に気品溢れる口調で市川氏が運んで来てくれました。

    【金箔】は、”ロスチャイルド家の料理”と言う意味合いでもありましたが、「南アフリカ」の代表的な特産物。
    そして、「グランマルニエ」は「オレンジ」をベースにしたリキュール……
    そう、これは、「ピラミッドカレー」のところで考えていた「南アフリカ」=「ケープタウン」の寓意でもあるのです。
    しかし、この素晴らしい一品にはもう一つ細工が……「グリーングレープ」……先ほどのディズレーリとライオネルの会話のシーンで出て来た「ブドウ」……
    曾村氏は、きっと、この事をご存知だったのでしょう。
    今回、「オレンジ」の他に、この話から「ブドウ」も考えてはいましたが、「ブドウ」よりは「オレンジ」の方がより端的な気がしていたのですが、そこは流石にプロ中のプロ。
    「オレンジ」の他に「ブドウ」もスフレの中に忍ばせておいてくれたのでした。

    神は細部に宿る

    と言う名言がありますが、曾村氏の”作り込んだ料理”は、まさにその名言に相応しいものだとも思うのです。

    自らの誕生会を、自らの企画したメニューで祝う。しかも、自らのフランス料理体験の中での【金字塔】的な意味合いを含めて【歴史的寓意】を持たせたメニューに基づいて料理を創って頂く。
    かくも贅沢な事があるのでしょうか?

食後のプティフールとコーヒー



    感動的な【お誕生会】を終えて、食後のサロンカーへと移動します。
    1870年台、80年台のベルエポック期を謳歌するヨーロッパの蔭では様々な出来事が起きていました。
    交通・電信の発達で世界が一体化しようとしていたこの時代、世界に自由と独立を謳歌する空白地は直ぐに強国の支配下に組み入れられた時代でもありました。
    エジプトだけでなく、他のアフリカ、インド、アジアの地域も同じ道を辿ったこの時代が終わりを迎えて、再び自らの光を見出すのには、今しばらくの時間が必要だったのです。
    【アイーダ】における[ラダメス]と[アイーダ]は、自分たちの自由と信念が結実する時を現世では見い出せず、来世に求めます。
    残念ながら、どんなに素晴らしい能力を持ち、立場を勝ち得ても【時間】だけは自由にする事はできなかったのです。
    そんな悲劇である【アイーダ】は、まさにこの1870年台、80年台の世界情勢を表すのに相応しいものだと思うのです。
    【ヨーロッパの光と影】、【帝国主義】、【金融資本の台頭】、【議会政治の国々】等々

    今回、アイーダに事寄せて、複雑極まりない世界の歴史の一端を表現すると言う、ある意味大胆な事に取り組んでみました。
    元々は、3年前に食べた【ピラミッドスタイルのカレー】が食べたいと言う事で、考えた”構想”でもありましたが、よくよく一品一品に含意を持たせ、かつ、全体的にも巧くまとまった流れが出来たと、思っています。

    【美味しく】【奥が深い】そんなメニューにご協力頂いた、A ta guele の曾村譲司氏、市川悟氏を始めスタッフの方々に改めて感謝とお礼の気持ちを申し上げます。

    バニラの利いたアイスクリームと青バナナのベニエを食べ、濃い目のコーヒーを頂きつつ、今回のもう一つの【柱】は【黄金】だね。と言う事を改めて思いつつ、【誕生会】の余韻に浸る6月のある日でありました。


【太陽の沈まぬ国欧羅巴】は、ディズレーリとビスマルクの【勢力均衡(バランスオブパワー)】による【平和】の賜物