最後に、デセールを考える番になりました。
昭和の饗宴の儀の際に、デセールが”プディング 皇帝風(Pudding a la Imperiale) ”となっています。
プディングを使った有名なものとしては幾つかありますが、お米を使ったライスプディングの場合には、”Riz Imperatrice”と言う古典的なお菓子があって、ナポレオン三世の皇后であるウージェニー妃を表わすとされています。
饗宴の儀のメニューを考えた秋山氏が、日本にちなんで「米」でデセールを作ることを考えた事は無かっただろうか?と考えてみたりもしました。
が……、上記の様に、ライスプディングを作る場合にimperatriceはウージェニー妃に関連して「皇后風」と言う意味合いが先に連想される(「皇帝風」と言う意味がないわけではない)可能性が高いので、秋山氏はバッティングを避ける意味で「皇帝風」「帝国風」と言う意味合いを前面に出せるように、単純に”Pudding”としたのかと思ったのでした。
そういう意味で、ライスプディングで「皇帝風」と言うのはある意味空席になっているとも言えるだろうし、”Imperatrice”を使うのでなく、秋山氏と同様に”Imperiale”と言う意味を込めてライスプディングの形にしたらウージェニー妃にも饗宴の儀にもバッティングしないな、と言う事を思いついたので、デセールにライスプディングをお願いする事にしたのでした。
最後に出来上がったこの素案を、何時ものように a ta guele の支配人市川さんにも目を通して頂いて、最終的な内容や仕様は曾村シェフにお任せする運びとなりました。