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中目黒のエコールバンタンに未来の料理人を観に行く


    かねてから、調理師の専門学校の文化祭などに行って、学生さん達の様子や雰囲気を観に行ってみたいと言う事を思っていたのですが、昨今のセキュリティや個人情報云々の兼ね合いで、なかなか外部の無関係者がいきなり遊びに行くという事は難しい状況になってしまった昨今………
    何と!!知人のお嬢さんが中目黒のエコールバンタンと言う所に通っていて、今度、イベントで外部の人向けにレストランイベントをすると言う事で、”時は来た!!”とばかりにルンルンして行って参りました。

    「エコールバンタン」とは L'Ecole Vantan と書く学校なのですが、実は専門学校では無くて、高校と言う枠組みの学校だそうで………今まで調理師の免許を取るには高校卒業後に専門学校に入ってと思っていたのが、高校生の段階から調理師の免許等が取れるらしく、なかなか画期的な学校だなと思った次第。
    運営元が、カドカワ=ドワンゴの系統らしく、元々は美術系やアニメ・声優系の専門学校に+して飲食系の専門学校過程を増加させたと言う感じの様で、今後の柔軟な教育戦略の一コマと言う国策にも適うのかなと思いました。

    あくまで、個人的な感想だけれども、昔の職人(料理人)は中学を卒業した後で親方の所に徒弟入りして修業に励むと言うのが定式だったが、やはり修行を始めるのにある程度の若さと言うのは必要だと思う。それが、18歳が良いのか15歳が良いのかと言うのは、社会経済の状態如何と言う事だろうが、身体を使って体得すると言う要素が必要である事や、もし自分に向いていないという場合にやり直しをする事に柔軟なシステムと言う部分では、バンタン高等部の様に高校に実習の機能を備えていると言うのは合理的とも言える。
    (但し、問題点は高校程度の一定の「学」も必要ではあるので、その折り合いを巧くつけないとと言う部分だろう)


    (左)エコールバンタンの看板 (次)ランチのランチョンマット(次)お目当てのレストランCARM(右)500円均一Menu!!





    さて、入り口に入って直ぐ左のエレベーターに乗り、Restaurant CARM へ
    どうやら、調理師科の人達は、入り口の右手にある階段を昇り降りしている様で、”自分達のレストラン”開催の際には流石にエレベーターは使わないようで、入り口から一緒に乗ったのは上の階のアニメ科?か声優科?に人でした。
    それはともかく、エレベーターを降りて直ぐの所にイケメンが二人立っていて、そこでお会計をする模様。
    そこは、それ、食いしん坊ゆえ、2人前頼んでも大丈夫?と聞いて、ハンバーグのセットと、チキンソテーのセットを頼んで席へ。
    実際に”会場”は調理実習を行うスペースの様でしたが、とはいえ、普通の学校よりも大きく機能的に出来ている感じで、そこは流石に”調理専門の学校(高校)”と言う具合でしたね。
    さて、頼むこと暫し………


    (左)ハンバーグ (右)チキンポワレ 




    ハンバーグを頼んだのは、まぁ失敗がしようがない(あるいは、もし失敗したとしても食べる側からすればダメージは少ないと言う見地からでしたが(酷いことを書くなと思われそうですが、それはそこプロの人がやっているのでは無く、マダマダ駆け出しにもならない人達のお料理ですからね?))、しかし、このハンバーグはしっかりと捏ねて味付けも均等に亘っていて、しかも肉がそこそこ上等な感じだったので高校生の作る料理だと聞かなければ、そこら辺の喫茶店で出てきても大丈夫なレベルで少々ご機嫌になるワタクシ。

    他方、チキンポワレの方は、カレー風と和風のソースを味わえるような仕掛けが嬉しい一品で、カレーに付け合わせたサフランライスなどの構想がなかなかに心憎いと思いましたが、肝心の鶏の火の入れ方がもう少し。もう少しパリッと火を入れた方が美味しかったでしょうが、なかなかにあと一歩の勇気が要る所でしょうから、まだまだ修行不足と言うところでしょう。鶏肉自体もハンバーグよりは少々落ちる感じだったので、なおさら皮目をパリッと焼いてアクセントを出した方がより良かったかな?(鶏肉はタンドーリ仕立てとメニューにはあったので、釜で焼いていたとしたら、クニュクニュな感じはむしろ正当な事になりますが)後は、ご飯の炊き方が、自動炊飯器で炊いているのでしょうが、同じ自動炊飯器の使い方でもきっと”ご飯だけでも秀逸な炊き方”もあるでしょうから(それは、マニュアルどうりに水やサフランを入れるのでは無く、色々な工夫が出来る余地があると)是非とも頑張って欲しいと思いました。

    「あれ、そういえばサラダは?」と気付かれた方もおられるかも知れませんが、メインを二品頼んだので、サラダは遠慮しました(野菜でお腹一杯になっちゃいますしね?)。


    (左)ガトー・ショコラ・オ・ノワ (右)エクレール・シトロン




    デザートの二つ! えっ?デザートまで付くの??と言うのが正直なところかと思いますが、それが付くんですねぇ。
    しかし、デザートに関しては、実は旨く作るのは、何気にメインの品よりも難しかったりします。何より”粉もの”だったりするので、その粉の機嫌次第で良くも悪くもなるのは、ちょっとお菓子造りをした人なら嫌と言うほど分かる事でしょう。が……お家でお菓子とか、好きな人にお菓子とか、そういう手合いでは無く、”プロになる”と言う事でしょうから、そこはしっかりと修業してください、と。
    残念ながらガトーショコラに関しては、今後の修業を待ちましょう。
    しかし、シトロンのエクレアの方は、なかなかに行けるレベル。
    無論、行けると言っても、後ちょっと手直しをしてねと言う条件は付きますが、当日、これを作った人(人達)は、もうちょい研究すればきっとソコソコのレベルまで行くでしょう。
    これは、シトロンのソースの味がなかなかに出来が良かった。要するにもう一度食べても良いなと思える感じから。
    しかし……見るからにこれはシュークリームの様な気がしますが……”エクレア”……まぁ何か意図があっての事でしょうから、ここまでに。


    (左)アイスティー(真ん中)イタリアンソーダ(右)多分、上級生のクラスのレストランの告知。内容がかなりグレードアップ




    さて……実は、当日一番気になったのが、このドリンクのサービス。
    頼んだ際に「直ぐにお出ししますか?」と言われたが……何故か出てくるのがとても遅い……
    どうも、ドリンクを作る所の人達が、お見合い状態で誰がどうするのかがはっきりと出来なかった模様……
    まぁモチロン、その様な事態が起こる事を納得した上での訪問ですから、気にはなりませんが……しかし係りの方達は飲料のサービスに従事するのであれば意識して誰かが動く前に動きましょう。

    と……色々と斜めな感じで書き連ねて来ましたが、最初に少し触れましたが、”高校一年生(一年時)”の方がたが運営するイベントですから、全然腹も立たないと言うもの。
    むしろ、これが500円(メイン一品、デザート、サラダ、ドリンク)で食べれると考えると、自分の職場が近くに在れば、間違いなく通ってしまうかと思います。
    ただし、この日のレベルの段階だと、680円位までが値段の上限かな?@700円となったら行かないかもしれません。

    とは言え、調理師学校のイベント初体験は、この料理の他に興味深い事が幾つか。
    料理の出来も気になりましたが、当然、そこでいる人、動いている人がどんな動きをしているのか興味があるところ。
    先ほどのドリンク係の人の様にお見合いになっているブースもありましたが、シェフ志望の女の子達でしょうか、かなり真剣な険しい顔つきで立っていたりして、おっこれは頑張ってるな?と言うオーラを感じさせる人達に興味を覚えました。 今回のイベントでは、何となく女の子達の方がしっかりと動けている感じがしましたが、(繰り返しますが)高校生1年生位には女の子達の方が大人でしっかりもしているでしょうから、そういう意味では普通の高校の一コマの様な感じなのかもしれませんね?
    そして、何より嬉しかったのは、知人のお嬢さんは相当にキビキビと動いていて惚れ惚れする動きでとても高校生には見えませんでした。
    料理を作った方のお話を聞く事は出来ませんでしたが(それやったら怪しいわな)、こういう中から、将来、ワタクシの為にお料理を作って下さる方が誕生するのかしらんと思うと、なかなかに楽しいヒトトキではありました。
    また、機会があれば伺ってみたいと思います。
    (上級生のメニューの「ビスク」や「牛フィレ肉のパイ包み」「スズキのポワレのソラマメスープ」「フォンダンショコラ」@1500円にも興味津々!!)