LINEで送る このページを Google Bookmarks に追加

Menu 食いしん坊のアンリ(思うに至る)


    フランス料理に名前が冠されている人物は、色々といますが、そもそも王侯貴族に捧げると言う事に原点を持つフランス料理ゆえ、”王”に関する名前が多いのも確かです。
    当然、フランス王の名前を冠したものも幾つもある訳ですが、フランス料理の原型が作られ始めた”ブルボン朝”の君主の名前を冠したものは豪華な料理である事を感じさせます。
    その中でも古典的な料理として幾つかに名前が出てくる王様でもあり、”食いしん坊”とあだ名されるほどの人物だった【アンリ4世】。
    以前、クレイグ=クレイボーンの著作の中に出てくる”Tournedos HenriⅣ”の写真を見て、何時かはアンリ4世に関する料理を食べてみたいと思っていた事もあり、”アンリ4世”を軸にしたメニューを考えて見る事にしました。


    (左)フランスの国鳥”鶏”
    (中央)ナントの勅令
    (右)ブルボン朝を開いたアンリ4世




    アンリ4世にまつわる料理は幾つかあるけれども、先ほどの”Tournedos HenriⅣ”などはクレイグ=クレイボーンの中にも出てきて、古典派料理の中ではメジャーでもあるので、それでは面白くないかな?と。
    エスコフィエや、料理本などを見ると、他にも「鶏」や「仔牛の腎臓」を使ったものが出てきましたが……
    そう言えば、フランスの国鳥は”鶏”だったな……と言う事を思い起こし、せっかくだから「鶏」を軸にして料理を考えていこうとしている内にワクワクして考えた【構想】が以下のくだり。




    ”食いしん坊のアンリ” メニュー案
    (平成31年02月某日)

    ”Consomme Bourbon”(アンリ4世がブルボン朝開祖である事に敬意を表して)

    ”牡蠣”を使ったもの(アンリ4世は牡蠣が好きだったと言うエピソードから)

    ”ポンヌフ”をイメージしたもの(アンリ4世の時に完成した事から)

    ”鶏”を使ったもの(アンリ4世風の料理と、フランスの国鳥である事の両方から)

    デセールは”ナント”をイメージしたもの(「ナントの勅令」から)


    上記の内容をベースにアレンジをお願い致しました。

Menu 食いしん坊のアンリ 具体的なメニューの構想の趣旨


    フランス料理には、【王朝名】を冠した料理がありますが、アンリ4世に関するものとして、ダイレクトに【ブルボン朝】と名前が冠してある料理を食べない訳にはいかないだろう、と言う事で、スープである【Consomme Bourbon】を入れようと言う事は直ぐに決まりました。

    また、アンリ4世が”牡蠣”を大好物として、記録上も牡蠣を沢山食べた人物として残っている事もある事や、丁度このメニューを考えていた時期が冬場であった事もあり、”牡蠣”が時期的にも旬であったと言う事に加えて、昨年、一昨年と曾村氏の作る【牡蠣のカークパトリック】が美味しかった事もあって”牡蠣”は逆に外せない一品でもありました。

    ”ポンヌフ”は、初めて読んだ辻静雄の著作である「フランス料理の手帖」の中に出て来た料理名で、それこそ”初めて”覚えた思い入れのある単語だった事と、アンリ4世風の付け合わせに使われると言う事からも、(日頃はサラダなどを食べようとは思わないけれど)ちょっとお洒落なパリの名士(Tout-Paris)を気取ってサラダを楽しんでみようと思いメニューに組み入れてみようと思ったのでした。

    フランスを象徴するものとして、一つは自由の女神(Marianne)、もう一つはガリアの雄鶏(gallinaces)。雄鶏の方は、正式なシンボルでは無いものの深くフランスに根付いていると言う事や、アンリ4世が「フランス国民の皆が食べれる様に」と言ったからとも、自身の好物だったからとも言われる鶏肉のポトフ(Poule au Pot)が有名でもあったので、”鶏”をメインに据えずして何をメインにするべきだろうか?と言う事で、メインには”鶏”で行く事に決定しました。
    ただ、メインが”鶏”だとしても、やはり【ポットフー】では寂しい部分もあるので、ポットフー以外でメインをお願いする事にしたのでした。
    (もちろん、Supreme de volaille HenriⅣでも【OK】とは記しておきました)

    そして、最後のデセールは、アンリ4世が出した歴史的な勅令である「ナントの勅令」にちなんで、”ナント”にちなんだお菓子をお願いする事にしました。

    こうして、大まかな骨組みは決まったので、後は、a ta guele の支配人市川さんに目を通して頂いて、最終的な内容や仕様は曾村シェフにお任せする運びとなりました。