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銀座:2018年07月29日:キムラヤ本店2F


    かの山岡鉄舟が明治の帝に差し上げたと言う斯界の名門中の名門、「木邑家」
    それこそ、当の山岡鉄舟は毎日のようにキムラヤのあんぱんを食べていたと言うが、そんなキムラヤのパンを進物であったり、仕事のちょっとしたお土産としてデパートで買い求めたりした事はあったが、本店で”食べる”と言う事はなかった。
    ここが【文明開化の発祥地】であるにもかかわらず。
    何時も人だかりのする和光界隈の銀座8丁目から、更に人口密度が高いキムラヤから黒澤楽器の辺りを通ると、何時もキムラヤの賑わいの群を抜く度合いに銀座の一等地の力をまざまざと知るのだが、そんなキムラヤにパンを買いに行くとごった返す買い物客の中で、【軽食2F】【洋食3F】【フランス料理4F】と言う看板とメニューの存在を認識しつつも良く良く凝視する事はないまま通り過ぎる事が毎度の事だった。
    丁度、そんな折、仕事先へ持って行くお土産に「キムラヤのあんぱん」を求めた際に、2Fのメニューを観ると、なかなか心惹かれるものもあり、何処かで行きたいなとも思っていた。
    そう言う事もあって、銀座界隈に行く際に時間の都合をつけて【2F】へと訪れたのであった。

    (左)メニュー(中央)小海老のカツレツサンド(右)ビーフヒレカツサンド




    【2F】は、時間帯と言う事もあってか、結構な込みようで、席に案内されるにに暫し待った。
    その間、メニューを観たりして、入る前からほぼ頼むものは決まっていた。
    「小海老のカツレツサンド」と「ビーフカツレツサンド」の二つである。
    これを頼んだのには【特に理由は無い】
    強いて言うならば、サンドウィッチと言えば、「ハムサンド」か「カツサンド」かと自分の中では【二択】しかないからでもある。
    基本、野菜の入っているサンドウィッチは苦手である。それは、野菜が嫌いと言う事では無く、入っている野菜のカットの仕方や質感が強調されるあまり、口に入り切らなかったり、必要以上に水分が多くて肉の味を薄めたり、あるいは手が汚れると言う事が多々あるからでもある。
    そんな事もあって、シンプルに具を楽しめるサンドウィッチ以外を食べる気にはならないのである。
    その点、キムラヤのサンドウィッチは非常にシンプルに出来ていて、「具」中心で、「野菜」は脇役としてあるかないか。
    これは自分の中では大いに気に入った部分でもあった。
    今回、「海老カツ」と「ビーフカツ」にしたのは、そんな事もあるが、”自分の好み”としては、【ビフカツ】>【ヒレカツ】と言う方程式があるからでもある。
    関西に行くと、主流は「ビフカツ」であって、京都辺りでは何につけても「ビフカツ」ばかりを食べていたりもした。
    そんな訳で頼んだ二品。
    揚げたのサクサクで、パンを押し返す様な弾力のある「海老カツ」と自己主張をしない程度のタルタルソースが良い。
    海老の甘さと肉質とをカツで1ステージ上げた事もさることながら、柔らかくて少々甘めのパンがこれまた自分の好みにはあっていて、非常に満足をした。
    「中に火が入りつつも完全に火を入れてガチガチにしない」
    これが、「ビフカツ」の要諦でもあると思うが、そのお約束通り、火を入れ過ぎない「ビフカツ」の登場。
    値段的に止むを得ない部分かもしれないが、もう少し肉の厚さがあったほうが、バランスが取れていただろうと思うと少々残念でもあって、こちらは関西の方が熟練度が高いなと思ったりもした。
    とは言え、どちらも作りたて、揚げたてで、どうやら上にある厨房(8F)で作って持ってくるとの事だったが、これだけのものを出すのであれば、【4Fのフランス料理】も美味しいのではないかな?と思い、食べてみようと言う気にもなったのである。
    【4Fのアーブルビラージュ】訪問はこちらから

    (左)山岡鉄舟揮毫の「木村屋」(右)1Fエレベーター