四品目は「マルセイユ風 ブイヤベース(bouillabaisse a la marseillaise)」
ブイヤベースと言えば、ニースやカンヌ、マルセーユといった南仏が定番。
この南仏の名物でもあるブイヤベースにも「マルセイユ風」と名付けた料理があります。「マルセイユ風」とは【marseillaise(マルセイエーズ)】とも書きますが、マルセイユの料理やトマトと揚げたジャガイモを付け加えた料理に使うメニュー表記だったりもします。
「マルセイユ風 ブイヤベース」の特徴は、普通のブイヤベースと同様にタップリの魚貝類にサフランを加えてつくるのですが、(先ほどのトマトと揚げたジャガイモと言う関連から)「じゃがいも」を加える場合もある、というところでしょうか。
ポワソンのスープ(魚の出汁)が柔らかく効いているのが特徴なのですが、一緒に入っている「トマト」と「黒オリーブ」が混ざると、味が色々と花開くのが素敵ですが、考えれば、滝澤氏はトルコ・イスラム風の料理には精通されているのであり、この独特の「トマト」「オリーブ」は南仏風よりもトルコ風の組み立てかなと思ったりもしたのでした。
この「締めのご飯」、鍋に入っているので最初はそれと気が付かなかったのですが、味は”上品なピラフ”に似ています。
フランス料理で「ピラフ」?という向きもあるかと思いますが、【Pilau(ピラウ)】はれっきとしたフランス料理で、かのエスコフィエは【Pilaw de mouton a la Turque(羊のピラフ トルコ風)】として料理にしていますが、【A la Turque(トルコ風)】という形容がなされるように、元々は中東に由来する料理をフランス料理にまで持って行ったというところでもあるので、本場のトルコでの経験値が高い滝澤シェフの経験がいかんなく発揮される「ご飯料理」だったとも言えます。