アミューズとして、イベリコ豚のチョリソーと、鎌倉野菜が出てきました。
この時期、非常にムシムシして毎日を過ごすのが億劫になるのですが、辛目のチョリソーと瑞々しい鎌倉野菜のコンビで身体に喝が入ります。
鎌倉野菜の美味しさにびっくりしたのは2011年頃の事なのですが(その事はこちらで)、アタゴールで頂く鎌倉野菜は本当に土の味がして、シェフ自らが鎌倉で仕入れてくる事での揺ぎ無い信頼感がなせる業だなぁと思う訳です。
そして、最初の前菜であるスープ。アタゴールを代表するスープでもある「トリュフのパリソワール仕立て(Soup de truffe d'te en Paris soir)」を頂きます。
クリームのしっかりとして、しかしサラリと流れるような喉越しと舌触りに、トリュフのむせ返る様な匂いを楽しみながら、しっかりと肉の味の煮出たコンソメの冷たい感覚を楽しみます。
初夏のアタゴールでは何時も頼んでしまい、他に飲みたいスープがあってもついつい頼んでしまう素晴らしいスープを飲んで、今回もご機嫌なワタクシなのでした。
ガラスの器に入って出て来たデセールは”ベイクドアラスカ(Omellete norveigienne ou omellete en surprise)”と呼ばれる特別なデセールだったのです。
「ベイクドアラスカ」はジェノワーズ(genoise)と呼ばれるイタリア風のスポンジにアイスクリームを乗せて、それをイタリアンメレンゲで覆って、フランベなどで焼き色を付けるお菓子ですが、非常に手間暇がかかるのと、上手く出来る人が少ないのもあって、主にホテルなどの宴会で出てくるレアなお菓子でもあります(九段下のホテルグランドパレスなどが有名)。
そんなデセールが出てくるとは夢にも思わず、まさに天にも昇る心地であったワタクシ………
これにフランベをして、一気にこの白い山が噴火しているような幻想的な雰囲気に包まれます(携帯で写真が取れなかった)。
噴火している様に見えるので「ベイクドアラスカ」。例によってアメリカ的な表現を認めないフランス的表記では”Omelette norveigienne(オムレット・ノルヴェジエーヌ)”あるいは”Omelette en surprise(オムレット・アン・シュルプリーズ)”と表記して、「ノルウェー風オムレツ」「びっくりオムレツ」などと呼称します。