そして、”Dorgomiroff(ドラゴミロフ【公爵夫人】)”。正直、フランス料理のメニュー名にこんな(気の利いた)名前の料理があるとは思いもよりませんでしたが、アガサクリスティのこの【オリエント急行殺人事件】は1934年の発表。太陽の沈まぬヨーロッパのベルエポックが終わり、再び軍靴の足音が聴こえてきた時代でもあります。当然、エスコフィエの Le Guide Culinare にはお目見えせずで、白水社の新フランス料理用語辞典に掲載のものなので、いつぞやから登場した料理名なのかは分かりませんが、兎に角も【オリエント急行殺人事件】の登場人物がしっかりとフランス料理になっていると言う点が面白かったので、是非とも食べてみたい料理でありました。