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日本橋:2019年05月20日:Maruzen Cafe 日本橋店


    先日、資生堂パーラーに行って、何となく洋食への火もついた部分があり、暫く丸善にも行っていないなと言う事もあって、日本橋で降りてカレーを食べに行く事にしました。

    (左)(中央)丸善入り口(右)本日のお薦め




    地下鉄で降りて、ピーターラビットの看板を直視して丸善の地下1Fのエスカレーターから昇って行きます。(奥に行くとエレベーターもあってカフェに直通なのですが、どうも丸善ではエスカレーターを使ってしまう悪い癖が)
    時間帯によっては混雑する丸善ですが、今回は比較的空いていたようで特に待つ事も無く入る事が出来ました。
    丸善カフェの入り口にお薦めのメニューが置いてあるのですが、そのケースの中にさり気なく丸善のスペシャリテである「檸檬」のお菓子が置いてありました。
    【丸善と言えば檸檬】と言うのは、余りにも人口に膾炙している部分でもありますが、これを書いた梶井基次郎のセンスには、否応なく脱帽した記憶が残っています。
    多分、「レモン」であってもなくても良かったのだとは思うのですが、黄色い色と書店の積みあがった本との対比と、これからおこるであろう願望とが重ね合わさると、なかなかカラフルな色調であった事を考えると、やっぱり「レモン」で無くてはイケなかったんだろうなぁと、特に文学に詳しいわけでは無いけれど、丸善に来ると思ってしまう自分がいたりもします。

    (左)本日のお薦め (中央) ”お約束”の早矢仕有的(右)1Fの下りエスカレーターの所にある大きな早矢仕ライスの宣伝




    【丸善】と言えば「ハヤシライス」とこれまた条件反射の様に結びつくビックネームでもあります。
    大体、何時もはハヤシライスを頼むことが多かったので、ある意味自分の中でも”定番のメニュー”でもあるのですが、5月の微妙な暑さと寒さの中で、どうも早矢仕よりはカレーを食べたい方が勝っていたので、メニューを一読した後は、入り口のショーケースにあった「ローストチキンカレー」を頼む事にしました。
    特に、”資生堂パーラーのトマト”が未だ気になっていた訳でもないのですが、やはり身体が「トマト」を求めていたと言う事もあったのかもしれません。
    恐らく、スパイシーなカレー粉のイメージと爽やかなトマトで何だか怠い気候を払おうと言う自然の摂理だったのでしょう。

    カレーが出てくる間、【早矢仕有的の能書き」を見ると、改めて、色々な事に興味があった人なんだろうけれど、文明開化だ何だと騒ぐ前に「肉」を食べようとしていたのだから、進取の気風に溢れた人だったのねと再認識をしましたが、そこから「ハヤシライス」まで持って行ったのは凄いなと思ったりも。
    丸善本体は、時代の流れもあって従来の経営では無いのでしょうが、「ハヤシライス」=【早矢仕有的】と言う事で、その名は(ある意味)永遠に残る訳だから、人間と食べものの(旨いモノ)の繋がりたるや如何にと。
    そういう意味では、ワタクシメも何か後世に残る様な美食をしたら、未来に名前が残るのかしらん??などと、想像を逞しくしていたりもしたのでした。

    (左)ローストチキンカレー(右)カレーの具材のアップ




    タンドーリチキンが2本ゴロリと乗っていて、その周りを結構な量の野菜が覆っていたので、結構ビックリしました。
    チキンはタンドーリとありましたが、丸善の中でタンドーリ釜があったかどうかは気にしませんでしたが、本当に骨からハラリと肉がほどける上に、スパイシーなカレーがしっかりと浸み込んでいて非常に満足しました。
    ブロッコリーや人参の茹で加減や、パプリカの火入れの具合もなかなかよろしく、資生堂パーラーもそうだったけれど、意外に有名店でもメニューを絞っている処の料理にはハズレが無いなと思ったりもしたのでした。
    カレーを柔らかくするココナッツの優しい味を感じつつ、ご飯とカレーを崩して食べていると、あっという間に食べ終えてしまったのでした。
    「檸檬」を食べるかどうか逡巡しましたが、ちょっと気になる本もあったので、今回は見送って会計を済まして店を後にしたのでした。