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御茶ノ水:2014年12月13日:山の上ホテル ヒルトップ


    日本の数々の歴史の舞台にもなった「山の上ホテル」。
    この建築物が今となっては貴重なアールデコ様式の一つである事は、それと同じくらい、このホテルの食事に伝統があると言う事もあるので、何時かは行ってみたいと思っていた場所の一つでありました。
    神保町界隈に足を運ばなくなった事もあって、なかなか御茶ノ水に行く機会もなかったのですが、年の瀬も押し迫る12月にちょっとした時間の合間を見つけて訪れる事にしたのでした。

    (左)ニコライ堂(右)山の上ホテル正面




    御茶ノ水駅を降りてウロウロすると、【ニコライ堂】が見えてきました。御茶ノ水と言えば【ニコライ堂】と言う事でもありませんが、神保町界隈を始めとしてこの御茶ノ水=神保町ゾーンは古本屋街に加えて幾つかの著名な大学も密集しているゾーンであって、非常に文化の香りが漂う区域でもあります。
    どうやら、ニコライ堂の方では無い方が近かったようですが、駿台予備校や黒澤楽器などが立ち並ぶ他の場所とは違う雰囲気を味わいながら通りを跨いでいきました。
    坂道を降りて行くと大きな【山の上ホテル】と言う看板が見えてきて安堵したのも束の間、何とここから坂道を昇ると入り口と言う訳で、なるほど「山の上ホテル」とはまさしくその通りと納得もしたのでした。
    山の上ホテルと言うと、天ぷらの「山の上」が有名な処ですが、(天ぷらに興味は抱きつつも)今回は【洋食】を食べにと言う目的もあったので、館内で案内板を探します。
    どうやら、「天ぷら」の他に「フランス料理」もありましたが、「洋食」はヒルトップと言う処がやっているようで、正面から入って(少々電灯の暗い館内の中)右側の通路から階段を下りてヒルトップへと着いたのでした。

    (左)サラダ(中央)(右)カレー




    さて、ヒルトップに着いて、何を頼もうかと思案しつつ、グラタンなども気にはなったものの(来る手順の間違いで時間をロスした手前)、あれこれと頼むのは難しそうだったので、そういう時には「カレー」にしようと言う事で、「ビーフカレー」を頼む事にしました。
    少々濃い目のドレッシングをかけたサラダが到着して、カレーが運ばれてきました。
    運んで来てくれた黒服の店員さん達の動きや立ち居振る舞いが、やはりホテルのそれで、「コーヒーパーラー」と言う看板ではありますが、元々「パーラー」と言うのは洋食全般を扱っていると言う事で山の上ホテルでは一番歴史が古いのでは?と思ったりもしました。
    カレー自体は、特に刺激的なカレーでは無く、じっくりとカレー粉を痛めてコンソメで伸ばした、所謂「ホテルカレー」の典型的な味でした。
    かつて【2.26事件】でアドバルーンが上がった際に、このカレーを食べて会議をしたかどうかは分かりませんが、恐らくレシピはそう変化は無いかと思うので、もしかすると2.26事件を目撃したカレーの末裔だったのかも知れませんね、などと思うと、【洋食】と言うのは、日本の食文化の歴史的な目撃者の要素を持っているのだなと思ったりもするのでした。