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上野:2019年07月08日:精養軒 カフェ ランド―レ


    先日の雨降りの中「上野精養軒」で並ぶのは断念したのだが、上野方面に行っても時間の調整が付きそうだった事もあって、上の行きを強行してみた。

    (左)精養軒の入り口(中央)パンダがお出迎え(右)右は高級フレンチのグリル福島



    今回、精養軒に来ようと思ったのは、今から数年前にここに来た際にテラスのテーブルで「井上ひさしの小説の中でルロイ神父なる人物が精養軒でオムレツを食べると言う話がありましたね」と言う話をしながら事を食事をした事を思い出したからだったのだが、その話が何時頃の時代を背景にしたものだったかは失念をしたが、小説にわざわざ「精養軒」「オムレツ」と言った具体的な記載がなされるのは面白い事だったので、興味深く覚えていたのであった。

    そもそも「精養軒」は日本のフランス料理の黎明を支えた斯界の名門であり、そう言う意味でも「精養軒」の料理やスタンスは興味があったし、今も東京ではあちこちで精養軒出身の料理人が活躍をしている。
    特に、以前、学士会館のランチを素晴らしいと思った事もあり、精養軒出身の料理人はレベルが高いとも思っていた事も今回上野に強行軍をした理由でもあった。

    (左)ビーフカレー(中央)ライス(右)付け合わせのサラダ



    さて? 今回、特に食べようと思った「オムレツ」は無く、オムライスにドミグラスソースがかけられたものだった。
    所謂「オムハヤシ」と言う感じのものだが、メニューを観て、卵が半熟系で余り好みの感じではなかったので、素直に「ビーフカレー」を頼む事とした。

    隣の「グリル福島」とは違って、こちらはカジュアルなせいもあるのか、頼んでものの10分もしないうちにカレーはやってきた。
    ”定番”と言う事なのだろうが、なかなかにその速さにびっくりもした。

    ビーフカレー @1580円



    カレーの付け合わせには、「福神漬け」と「らっきょう」の定番中の定番であった。
    カレーは、”チャッチネ”の味が色濃く出たカレーで、スパイシーと言うよりも、優しい感じのカレーであった。
    どちらかと言えば家庭のカレーに近い感じの味であったが、しかし、これを自分の家で作れるかと言うと、これまた難しいと言うのがプロの味でもあろうか。

    そう言えば、「ルロイ神父」の話をした際には何を食べたであろうか?と考えてもみたが、結局思いだせなかったのだが、前回はカレーを食べた記憶は無い様な気がするので、多分、ここでカレーを食べるのは初めてであろう。
    (実は、ここの「精養軒」は何回か来ているのだが、どうも仕事上の関係で来ているせいか、余り何を食べたのかを覚えていないのである)
    端的に言えば、@1580円は少々割高であろうか。
    【特徴が無いのが特徴】と言ってしまえばそうなのだが、洋食の黎明期に日本人の口に合うようにマイルドにしたカレーがベースかな?とも思うので、なかなか難しいのだが、今となっては、街中でも本格的なスパイスを使ったカレー屋も多いし、各種フランス料理店でもシェフが腕を奮ったカレーも食べているから尚更そう思うのかも知れないが、何とも拍子抜けした一皿であった。

    もちろん、本艦である「グリル フクシマ」では無い、「カフェ」の中での話であるから、美味しいのなんのと言っても仕方が無いのだが、テラスから見える非常に気持ちがよい景色代も込みと言う事で考えればあながち高いという事でも無いのだろう。

    そういう意味では、仕事上の「会食」や「接待」で来て、【看板がしっかりしたお店】で【上野の絶景】を見ると言う点で使うには問題がないのであろうか。