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西麻布:2016年11月06日:豚組


    時折、猛烈に「豚カツ」を食べたくなることがある。
    これは、身体がビタミン(豚肉のCMでは”ブタミン”などと言っているのを見たことがある)を猛烈に欲しているに違いない!!
    という妙な理屈をつけて、お店を探すことになる。

    【豚カツ】はフランス料理が日本版に変形された「西洋料理」として、「元々日本に居ました」的な存在感さへ有する食べものだが、その理由としては「洋食屋」と言う看板では無く「トンカツ屋」と言う、その商品名単体の看板を掲げて勝負が出来ると言う特異性によるところだろう。

    そんな”国民食”てきな「豚カツ」を食べさせるところで、何か面白いところはないかしら?と探して見たのが、この西麻布にある「豚組」と言うお店だったのでした。
    このお店は、何種類もの「銘柄豚」や「希少な豚」を集めていて、それを「豚カツ」でたべてしまおうと言うコンセプトのお店で、「豚カツの総合商社」的な発想が面白いと思いました。

    そう言う訳で「善は急げ」と即座に準備して地下鉄に乗ったのだが、 実はお恥ずかしい話、余り西麻布と言うところに土地勘が無く、大学を出た後しばらくの間、友人たちと良くこの西麻布界隈を遊びまわっていたのだが、何やら「イタリアン」→「バー(梯子)」→「タクシーで帰る」と言う、今考えると”何してくれちゃってるの?”というハチャメチャさでもあったのだが、残念ながら当時の記憶が殆どなく……お店に辿りつくのに、六本木駅からウロウロして、「あれがホブソンズ」「あれが権八」とか妙なテンションでようやく辿り着いたのでありました。



    (左)西麻布にある佇まい (中央)梅山豚の断面(右)突き出しのトマト、付け合わせのキャベツ・ご飯



    そんなこんなで、何気にラストオーダーも間近い時間に到着すると、二階は宴会か何かで埋まっているらしく、一階の幾つかテーブルのある席へと案内をされたのでした。
    丁度メニューには「梅山豚(メイシャントン)」を食べれるとあったので、これを外す手は無いなと言う事で何の悩みも無くオーダー
    「梅山豚」といえば、中国を故郷とする豚ではあるものの、近年は日本でもチラホラ名前を聞くようにはなってきたものの、なかなか食べる事が出来るお店は稀で、何処に行けば食べれるのかが難しい【豚】でもありました。
    また、たまたま、銀座のオーストリア国家マイスターの資格を持った人物のお店のメニューを観ていた際に「マンガリッツア豚」から「梅山豚」に食材が変更されたのを見たばかりでもあったので、なおの事、興味をそそられた部分でもあったのです。

    豚カツが揚がるまでの間のお通し的な感じで「ポテトサラダ」「トマト「鶏の焼き物」が並び、ポテトサラダが美味しくて、もう少しあれば良いのに……などと思ったりもしているうちに、「梅山豚の豚カツ」と「ご飯」と「お味噌汁」が登場。

    これがかの有名な「梅山豚」……揚げられた後、口に入るか入らないかの段階で、良い具合に豚肉に火が入る様な揚げ方で登場した豚カツは、身もそれなりに分厚く食べ応えもあり、外側の衣も極めて丁寧に揚がっていて、豚カツのお手本の一つの様な見事な豚カツでありました。

    では肝心のお味の方は……となるのですが、「可も無く不可も無く」という具合で、少々事前の期待が高かったと言う事もあったのでしょうが、意外に普通過ぎて拍子抜けをしたのを覚えています。

    もう少し「梅山豚」をあちこちで食べないと、なかなか真価は分からない……と言う事で、”新しい課題”を見つけた西麻布の夜でした。