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浅草:2019年07月07日:浅草ビューホテル THE ROUNGE


    ネットで【エスコフィエ】の料理の事を色々と検索をしていると、「ピラフ エスコフィエ」と言う文字が。
    どれどれ何処で何をやっているのかしらん?と思って見てみると、どうやら肝心の写真は無く、やっているのは「浅草ビューホテル」とある。
    「浅草」で「エスコフィエ」かい、と思うと、少々興味を掻き立てられたので、行って見る事にしたのだった。

    (左)ラウンジの入り口(中央)お洒落なバーカウンター(右)カトラリー



    実はこの料理、ネットで浅草ビューホテルのページを見ると平日限定の11:00~14:00のメニューであった。
    浅草界隈に行けたのが日曜日でもあって、平日限定なのでダメかな?と思いつつダメなら出直そうと言う感じで浅草ビューホテルに行ったのであった。
    ラウンジの入り口で、「平日では無いけれど ピラフ エスコフィエ を食べれますか?」と聞くと、快く「今日は大丈夫ですよ」との事だったので、何事も聞いてみるものだなと思いつつ、平日限定のものを日曜日に作ってくれるとはナンてサービス心溢れるホテルなんだろうと思ったりもした。

    (どうやら、この「ピラフ エスコフィエ」は、ここのラウンジで作るのでは無く、同じく一階のステーキハウスの「薪火」と言う所で作ってくれるらしく、(そこまでは聞かなかったが)このステーキハウスの混雑状況によって「出来る出来ない」があって、今回はたまたま「出来る」状態だったのだろう。)
    ピラフ エスコフィエ ジャンジャンブルソース(Pilaw Escoffier sauce gingembre)

    ピラフ エスコフィエ ジャンジャンブルソース(Pilaw Escoffier sauce gingembre)



    ラウンジの中は広い間取りで、一卓一卓が広くて非常に気持ちが良い空間だった。
    今回は、特に他のものは頼まなかったので、12分位待った頃にお待ちかねの「ピラフ エスコフィエ ジャンジャンブルソース(Pilaw Escoffier sauce gingembre)」が登場した。
    何やら「丼もの」の様な風体で、想像していたものとは異なったが、ツヤのある滑らかな黒い色のテーブルと、貫入の入った白い器が、フランス料理と言うよりも日本料理の様な感覚を覚えたものだった。

    満を持して、上に乗っているステーキを一切れ頂く。なるほど、ステーキ部門が焼くだけあってなかなか絶妙な。表面を焦がすわけでは無いが、炙る感じで硬くしてあるのは感心感心であった。
    ご飯は、「ピラフ」とあるだけにブイヨンを含んで綺麗に膨らんだ米粒も上品で、うっすらとバターと味と香りがしており、米粒に浸みた生姜ソースもどぎつくなく良い味わいだった。
    「肉」を食べ、ピラフを口に入れ、時々、アクセントに上に一緒に乗っている「草」を食むと言う事を繰り返しているとあっという間に食べ終えてしまった。

    個人的には、このピラフの感じはありだなとは思うが、少々残念と言えば、先ほども「日本料理」と書いたように、少々テイストがあっさり系だった事だろうか。
    流石に”ホテル”なので、火入れや味付けが上品で一つ一つが丁寧にこしらえられているのは良く分かったが、(【浅草】と言う土地柄なのか、利用客のボリュームゾーンなのか)【薄味のフレンチ】指向なのは、逆に勿体無いと言う感じがした。
    ”エスコフィエ(Escoffier)”と名前が付くものだから、古典的に味を濃くと言う事では無いとも思うが、まぁ”エスコフィエ風”であれば、「和テイスト」よりは「洋テイスト」の方を強く出して欲しいというのは、わがままな事だろうか。

    ピラフ エスコフィエ 肉の断面



    ちなみに、エスコフィエは【ピラフ】の事については、【Pilaw de mouton a la Turque(羊のピラフ トルコ風)】と言う料理の中で書いているが、「野菜の代わりに米を使ったナバラン(Navarin)に等しい」と記している。
    元々【米】を使う料理が前面に出ている訳ではないフランス料理でもあるので、余り多く記すところでは無いのだが、羊を煮込んだもの(ナバラン)の一種と言う感じの扱いではある。
    今回の浅草ビューホテルの「ピラフ エスコフィエ」は、牛肉と生姜ソースの組み合わせであったが、エスコフィエ本体の方では羊肉と生姜ソース(あるいはサフラン)の組み合わせなので、ホテルのオリジナルアレンジなのだろう。
    料理名に【エスコフィエ】などと出てくるのも稀になったこのご時世ではあるが、こんな形で創意工夫があるのは素晴らしい事だろう。
    後は、エスコフィエの名前に沿うように、もう少し【濃厚なソース】【濃厚な味彩】であると良かったと思う。
    「羊」でなく「牛肉」なのはホテルのステーキ部門の都合だとは思うが、結構「炙り」が上手な事もあるので、「羊肉」で、そして【Turque】とある様にトルコ風で「茄子」を使っての【ピラフ(Pilau:Pilaw)】があっても面白いなと言う着想を持ったりもした7月の出来事でした。