LINEで送る このページを Google Bookmarks に追加

京橋:2012年10月23日:シェ・イノ(Che Inno)


    秋も深まる頃の10月、仲間内で高級なフランス料理を食べてみたいと言う事から、何処にする?と言う話を経て幾つかのグランメゾンが候補に挙がったのだが、そう言えば、誰もシェ・イノに行った事がないよね的な話になったので、じゃあそこにしようと言う事で満場一致で決まった秋の日のある日であった。。
    私は仕事の兼ね合いもあり、少々遅刻をして行ったのだが、他の人はバーカウンターでノンアルコール飲料を飲んで時間を潰してくれていた。
    実際、今回のメンツは、誰一人としてアルコールに強いものはおらず、最初の乾杯くらいはともかくも、その後は寝てしまう様な”弱きモノ”達の集いでもあった。

    (左)位置皿(中央)すっぽんのコンソメ(右)トリュフのラビオリ



    今回は、(アルコールは飲めないが)食事に関しては手慣れた面々でもあったので、アラカルトで選択をする事になったが、ある品はシェアをして、ある品は個人でと言う感じでオーダーをする事となった。
    結果として、当日、ワタクシメが食べたのが、「すっぽんのコンソメ」「トリュフのラビオリ」「鳩のピジョンラミエ」「マリアカラス」「デセール」、そして「エヴィアン」と言う具合であった。

    (左)鳩のピジョンラミエ(中央)マリアカラス(右)デセール



    最初のお品である「スッポンのコンソメ」が運ばれて来た。
    誰もが、ウキウキとしてグランメゾンの至高の料理を楽しみにしている瞬間であった。
    「美味しい!」以下同文。
    馥郁としたコンソメの素晴らしい味と、ゼリー状の素晴らしい舌触りと喉越し……
    だが…しかし、その瞬間から、我々に異変が生じてくる……「?」何だか酔いますねぇ……
    冷静に考えれば分かる事だが、すっぽんのコンソメにはシェリー酒を使う。要するに、アルコールに弱い我々はすっぽんのコンソメのシェリー酒で既に出来上がりつつあったと……

    とは言え……そこは、我々……もとい、グランメゾンでのお食事……意識を相当強力に保ちつつ、何とか”賑やかな人達”くらいに留めるのに必死でありました。

    その後、運ばれて来た”名菜”を目の前にしつつもかなり酔いが回る状況……
    得てして、高級店にありがちな事ではありますが、やはり良いワイン(やアルコール)をソースにドボドボ使うと言うのがスタンダードでしょうから、多少の酔いは覚悟の上なのだけれども、しかし、シェイノは流石にグランメゾン、この効き方は半端ではありませんでした。
    ま、何とか最後まで食事を頂いて、無事にシェ・イノでのお食事は終了致しました。
    しかし、職業柄ソムリエと言う方がたも、お客さんに進められて付き合いで飲んだりするのでしょうが、良く平気だなとこの時ばかりは思いました。
    何せ、サービスに当たる方々(胸にブドウのバッジがあるからソムリエだと直ぐに分かるが)が我々のテーブルに近づくだけでアルコールの匂いがするもので、また酔い直すと言う貴重な経験をした我々……
    これに関しては、グランメゾンはしっかりとした高級酒をも併せて飲むところなんだからと言われれば、「ハイそうです」と言うのも分かっているので、単にアルコールに弱い我々がその門をくぐる資格が無かったと言うだけの事ではありました。
    そう言う意味では良い勉強になった、ある日のフランス料理だったのでした。

    (しかし……グランメゾンに行って、酔いが回って、”名菜”の数々の味が分からないなんて………返す返すも残念無念……(「また今度」と言う選択肢はないわな))

    そして、シェ・イノを出た我々は驚くべき行動に出ます。
    何と、十分に食事を堪能出来なかったと言う想いが強過ぎたのでしょう……「口直しをするぞ!!」と言う事で、何と酔い覚ましを兼ねて帝国ホテルまで歩いて行って、一階のダイナーで「ハンバーグ」他をガツガツと貪ったのでした。
    まぁ失敗は何事にも付きものではございますが、この時の事は、後から思い出しても笑える出来事でもあったので、久しぶりに思い出してみた次第。
    (改めて、10年近くも前の写真を見て、ピジョンの写真がブレブレで、まぁ結構酔いが来てたんだろうなぁ、隣のマリアカラスの写真は綺麗に撮れているのに……的な事を再認識。そして、写真はあるものの…結局、皆で何を食べたかわからないと言う謎のターンになってしまっているのもご愛敬。)
    そんな秋口の頃の笑い話でありました。