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名古屋高島屋フランス展:2016年09月14日:アタゴール(A ta gueule)


    名古屋の高島屋で2016年09月14日~20日にかけて行われたフランス展に出店したアタゴールに出かけて来ました。

    木場でのクオリティを出来る限り発揮したいとの事で、本拠地の木場は一週間お休みにした上でスタッフ全員も名古屋に全力投球するとの気合いの入れ様だったので楽しみにして名古屋へと赴きました。

    内容は、コースのみで、アラカルトとして曾村氏のスペシャリテを追加できるような設定と、ティータイム用のメニューと言う設定でした。

    メニューの内容は

    アミューズ:鎌倉野菜のサラダ

    前菜:赤座海老とムール貝の冷製カクテル(E&Oオリエント急行より)

    メイン:特選牛ハラミのシャリアピンステーキ(オリエント急行パリの車窓から)or 舌平目のグジョネナンチュア風(オリエント急行ドーバー海峡にて)

    デセール:白凰桃のピーチメルバココナッツとパッションフルーツのソルベ添え(E&Oオリエント急行より)

    追加のアラカルト設定として秋トリュフの冷製ポタージュとコンソメジュレ

    ティータイム用のメニューとしては、コースのデセールの白凰桃のピーチメルバココナッツとパッションフルーツのソルベ添え をと言うラインナップでした。

    (左)名古屋高島屋フランス展用メニュー(中央)なかなか凝ったつくりの内装(右)オリエント急行の車窓からの映像が流れる



    このフランス展、東京の百貨店のフランス展とは違って、このど派手な(と言うか豪華な?)ブースがなかなか名古屋趣味と言うか何というかで、百貨店も地域によって色々と特色があるなぁと勉強した次第。
    (東京だと、狭い催事場に”閉じ込められる”と言う表現が正しい様な感じの所で、食べる方も作る方も窮屈極まりない感じが普通なので)
    やはり、オリエント急行出身のシェフと言うのは、なかなか余人を以て真似出来ないキャリアーなのだな、と遠い異国の名古屋で改めてその偉大さに感心しました。
    これだけの設えだと、相当に人が来るんだろうな?と思いつつ、初日の開店11:30に(何とか間に合う様に)到着。
    見たところ、この時点では前に数人しか並んでいなかったのが、見る見るうちに長蛇の列で、ちょっと余裕を持って行かなかったら相当な時間並んだだろうな、と、これまた名古屋の催事(?)と言うか、名古屋時間と言うものを味わいました。

    とにもかくにも、第一陣として入場が出来てホッと一息。

    (左)鎌倉野菜のサラダ(中央)赤座海老とムール貝の冷製カクテル(右)トリュフのパリソワール



    さて……メニューは、肉と魚から選択になっておりましたが、丁度この夏にアタゴールで食べたシャリアピンステーキが美味しかったので、改めてこれをオーダー
    また、曾村氏のスペシャリテの一つであるトリュフのスープ パリソワール仕立ては非常に絶品なので、折角なので名古屋でもやっぱり食べなきゃと言う訳で、これは追加でオーダー
    と言う事で、暫し壁に流れるオリエント急行からのヨーロッパの景色を眺めて、オリエント急行の食堂車気分を満喫。
    (そして、横を見ると、既に満席+長蛇の列が……どえりゃぁ事に……)

    (左)シャリアピンステーキ(中央)食後のコーヒー(右)デセールのピーチメルバ



    運ばれて来たシャリアピンに舌鼓を打ちつつ、お肉を漬け込んであるから柔らかいし、ハラミを噛みしめると肉と漬け味が合わさって美味しい事、美味しい事!!
    そして、(2013年の松屋銀座の催事でも思ったが)良く百貨店の催事場でこれだけの事が出来るなぁ、と改めて思う。
    やはり、この辺はプロとしての熟練の技のなせる事だな、と思うと共に、元々曾村氏はオリエント急行の中で調理をされていたので、ある意味こう言う”ハコ”は勝手知ったると言う事だったでしょうから、木場でのクオリティと完全に同じとはいかないまでも充分なレベルでのお料理だったのは、まさに経験に裏打ちされた成果だったのだろうと。
    また、このメニューでの一つの眼目は”赤座海老”と言う部分でしょう。名古屋と言えば「エビ」は外せないアイテムの一つ。これは結構名古屋人の関心を大いに惹きつけたのではないでしょうか?
    (事実、隣のテーブルの人達はメニューの中での「エビ」について語っていましたしね。まさか「エビ」が行列の原因だったとは思いませんが、しかし、このご当地メニューと言うか、地域の関心が高いものをメニューに組み込むと言うのも、オリエント急行勤務の時代に停車駅に駆け込んで食材を調達したと言う経験からの視点が、食べる側からのテロワール(terroir)に繋がっているなぁと)
    そんな事をあれこれと考えつつ、デセールのピーチメルバに添えてある見覚えのあるシナモンスティックの香りを改めて嗅いで、アタゴール”名古屋コース”を満喫したのでした。

    帰りがけ、見送りに来てくださったアタゴール支配人の市川さんとお話をして、「東京からもお馴染みさん来てる?」と聞いたら、「有難い事に、いらっしゃるとご連絡を頂いてます」との事で、おお流石と思いつつ、新幹線の時間の迫る中、JRに直通している高島屋のエレベーターへと急いだのでした。