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銀座松屋の北海道展第10回:2013年10月31日:レカン


    銀座松屋は百貨店の中でも面白い催しものをする点で、他の百貨店とは一線を画している感があったが、銀座にあるグランメゾン(Grand Maison)級のシェフを集めて、しかも日替わりで料理を提供すると言う極めて例の無い企画があったので、時間の工面が出来る限り参加してみる事にした。
    この催しは、10月31日~11月5日までの6日間で行われ、コースA3150円、コースB5250円(両者の違いとして、前菜の数や構成、メインの違いが出てきます。)

    10月31日:レカン:高良康之シェフ
    11月01日:マキシム・ド・パリ:伊藤正顕シェフ
    11月02日:ペリニィヨン:中山智喜シェフ
    11月03日:シェ・イノ:古賀純二シェフ
    11月04日:レストランKAIRADA:皆良田光輝シェフ
    11月05日:ル・ボーズ:青木健晃シェフ

    と言う構成であった。

    先ずは、初日のレカンを見ずにはおられないと言う事で、何とか時間を都合して、銀座松屋へ。
    お昼の時間は混む事であろうから、少々時間をずらすも、行って見るとそれなりに混んでいて、流石に銀座の有名処を集めただけはあるなと思うことしきり。
    列に並んで、少々待つ。
    レカンの常連さんも多かったと見え、待っている最中、レカンのスタッフとお話をしている方もおられました。
    ほどなく(30~40分程して)お席の方へ


    (左)アミューズのグジェール(中央)タラのブランダード(右)北海道展限定のパン



    < Course "A" >

    Gougere:GINZAの北海道展限定 グジェール(ジャガイモとチーズのプティシュー)

    Brandade de morue:タラのブランダード

    Pate en croute de chevreuil,sauce Grand veneur:蝦夷鹿モモ肉のパイ包み焼きグランベヌールソース

    Gateau de pomme:リンゴのガトー

    Nespresso Espresso Leggero:ネスレネスプレッソ エスプレッソ レジェロ

    Baguette ou Pain de campagne:GINZAの北海道展限定 バゲットまたはパン・ド・カンパーニュ(北海道産小麦使用)


    < Course "B" >

    Gougere:GINZAの北海道展限定 グジェール(ジャガイモとチーズのプティシュー)

    St-jacques polee aux Betterave:帆立貝とビーツのコンビネーション

    Turbot a la viennoise:ヒラメのヴィエノワーズ

    Chevreuil roti a la poivrade avec sa consomme:蝦夷鹿ロース肉のロースト ポワブラードソース 蝦夷鹿のコンソメスープ添え

    Creme d'Anjou et sorbet chevrefeuille blue:北海道産クレーム・ダンジュとハスカップのソルベ

    Nespresso Espresso Leggero:ネスレネスプレッソ エスプレッソ レジェロ

    Baguette ou Pain de campagne:GINZAの北海道展限定 バゲットまたはパン・ド・カンパーニュ(北海道産小麦使用)


    (左)鹿のパイ包み グランブヌールソース(中央)リンゴのガトー(右)食後のコーヒー




    食いしん坊の常として、しっかり食べたいと言う欲求があるも、片方では「パイ包み」の方が好きと言う個人的な嗜好もあり、(また、少々入場で待たされた事もあり時間が押している事もあり)泣く泣くAコースの方をオーダー
    アミューズのグジェールは仄かにチーズの味がして自己主張せず、自己主張すると言う感じで、スタートアップとしては上々
    前菜1のタラのブランダードは、「鱈」独特のクセを感じさせないあっさりとした感じであった。
    お待ちかねのメインの「鹿のパイ包み」。パイも丁寧に焼かれており、グランブヌールソースも鹿肉を打ち消さない程度の構成。これは好き好きが分かれるだろうが、料理の出来としては丁寧で素晴らしいだろう。
    ジビエ系の扱いについては、そのクセのある風合いを出さない様にするか、或いは前面に出した上で、ソースで緩和するか、逆に更にクセを際立たせるかでシェフの考えが出るところだろう。高良氏の料理を食べる限り、クセを前面に出さずに上品に仕上げると言う点に力点が置かれているのだろう。
    デセールのリンゴも鹿を意識して後味を爽やかにと言う具合であった。

    メインの「鹿のパイ包み」に流れの最高潮を持って行こうと言う高良氏のコースの設計が反映した流れであったと思う。
    百貨店の催事場という(言わば)悪条件の中で、丁寧な仕事振りが反映した料理になるのだから、レカン本店ではさぞかし素晴らしいものが出てくるのだろうと思わせる品々でした。